第43回アングレーム国際漫画フェスティバル・TVスポットCM
今年のフェスティバルTVスポットCMは、フランスの若手漫画家 ジェレミー・モロー(Jérémie Moreau)の描くアニメ映像と共に。フランス・ベルギー作品中心ですが、有名な漫画のキャラクターが多数登場しています(日本のマンガからも! )。
皆さんはいくつ分かりますか?
第43回フェスティバル(2016年)のポスターは大友克洋が担当!
今年のフェスティバルポスターは、昨年(2015年)ブランプリに選ばれた大友克洋氏によって制作されました。
日本で江戸時代に発展した文人画(南画)の様式で描かれた絵には、さりげなくサイバーパンクなモチーフがあったり、バンドデシネを代表する名作『タンタン』、大友氏が尊敬するメビウスの作品から「アルザック」が翼竜に乗る姿や、自身の代表作『AKIRA』の主人公、金田の真っ赤なバイクが。さらには茅葺き屋根の下で机に向かう自画像も描かれています。
今回、大友克洋氏は特別ゲストとしてフェスティバルに参加。
アングレーム国立劇場でトークイベントが行われる他、フランスを始め各国の有名漫画家42人によるオマージュ作品展、金田のバイク展示などが予定されています。
本日(1月28日)、第43回アングレーム国際漫画フェスティバルが開幕!
第43回アングレーム国際漫画フェスティバルが、本日(1月28日)のフランス時間・午前10時(日本との時差:ー8時間)に開幕します!
今年(2016年)も全4日間、1月28日(木)〜31日(日)に渡って、フランス南西部の小都市アングレームで世界中から約1,500人の漫画家が参加、市内20の会場で展覧会を始め300を越えるプログラム(トークショー、ワークショップ、デッサンライブなど)が行われます。
本ブログでは、昨年同様、フェスティバルの情報を日本語でお伝えしようと思います。
どうぞよろしくお願いいたします!
アングレーム国際漫画フェスティバル公式サイト[仏語]
43e Festival de la Bande Dessinée d'Angoulême – Du 28 au 31 janvier 2016 - Accueil
フェスティバル最終4日目(2月1日・日)まとめ動画
第42回アングレーム国際漫画フェスティバル、最終4日目(2月1日・日)の一日をまとめた動画が公開されました。[仏語・字幕なし]
Journal du 42e festival d'Angoulême : Dimanche 1er février 2015 - YouTube
【動画の内容】
MATCH D'IMPRO(インプロビゼーション・マッチ) レポート
役者と漫画家が組んだチーム同士で対戦。即興で画と演技によるストーリーを互いに披露、レフリーの判定に加えて観客の盛上がりによって勝敗を決するゲーム
閉会式・授賞式、さらに全4日間(展覧会を始め主な出来事)のダイジェスト
各賞の詳細についてはこちら:
今年(2015年)のフェス閉幕、各賞が決定!
http://www.bdangouleme.com/553,palmares-officiel-2015
第42回アングレーム国際漫画フェスティバルは2月1日(日)夜の閉会式で各賞の授賞を行い、閉幕しました。
受賞作品は以下の通り。
最優秀作品賞(金のフォーブ)
Fauve d'Or – Prix du Meilleur Album
著者:リアド・サトゥッフRiad Sattouf[フランス]
出版社:Éditions Allary
シリア人の父とフランス人の母をもつ作者が、自身の半生と同時代の中東史を交差させた自伝的作品。第1巻では、アサド時代のシリア、カダフィ政権下のリビアを舞台で過ごした幼年期を描く。
リアド・サトゥッフについては、ShoProBooksの海外コミック情報サイト『BDfile ベデフィル』で紹介されています:【BD最新事情】モテない! サエない! 思春期男子のモヤモヤを描く注目のBD作家|
表現の自由 シャルリー・エブド賞
PRIX CHARLIE HEBDO DE LA LIBERTÉ D'EXPRESSION
カビュCabu、シャルブCharbe、オノレHonoré、ティニュスTignous、ヴォランスキWolinski[シャルリー・エブド襲撃事件で亡くなった5人の風刺漫画家たち]
審査員特別賞
Prix Spécial du Jury
『ビルディング・ストーリーズ BUILDING STORIES』
著者:クリス・ウェア Chris Ware[アメリカ]
出版社:Delcourt/Pantheon
『ジミー・コリガン』作者によるコミックの枠を越えた話題作。大きなボックスに収められた14の印刷物(本、パンフレット、ポスター、新聞など)からなり、どこからでも読むことができる。シカゴのアパートに住む義足の女性が結婚・出産を経てもなお孤独を抱えて生きる様を描く。
シリーズ賞
Prix de la Série
『ラストマン LASTMAN』6巻
著者:バラックBalak、ミカエル・サンラヴィルMickaël Sanlaville、バスティアン・ヴィヴェスBastien Vivès[フランス]
出版社:Casterman
ファースト・シーズン最終巻。リシャール・アルダナと彼の若きパートナー、アドリアンの冒険は一応の完結を見る。マンガやビデオゲームに熱狂した世代の作家による、少年マンガへのオマージュかつ挑戦。
新人賞
Prix Révélation
『イエキニ 土俵の王様 YEKINI, LE ROIDES ARÈNES』
著者:リザ・リュグランLisa Lugrin(画)、クレマン・グザヴィエClément Xavier(原作)[フランス]
出版社:Éditions Flblb
タイゾン、バラ・ガイⅡ、イエキニ。実在するセネガル相撲の3人の力士を描いた作品。絵だけでなく、写真も散りばめたこの作品は、今日のセネガルについてのすばらしいルポルタージュでもある。
Fauve Polar SNCF
『潮国事件 PETITES COUPURES À SHIOGUNI』
著者:フロラン・シャヴエ Florent Chavouet[フランス]
出版社:Philippe Picquier
日本の架空の都市で起きた事件を、「潮国市警察」報告書の形を借りて物語る。『東京散歩』(飛鳥新社刊)作者が初めてフィクション作品に挑戦。
遺産賞
Prix Patrimoine
『三毛流浪記 SAN MAO, LE PETIT VAGABOND』
著者:張楽平(Zhang Leping チャン・ルーピン、1910-1992)[中国]
出版社:Éditions Fei
1930年代から1940年代の上海を舞台に、孤児『三毛(サモ)』の放浪生活を描く。1935年から出版され、現在も中国で広く親しまれている長寿キャラクター。
キュルチュラ読者賞
Prix Cultura
LES VIEUX FOURNEAUX T1 - CEUX QUI RESTENT』
著者:ポール・コエ Paul Cauuet(画)、ウィルフリッド・リュパノ Wilfrid Lupano(脚本)[フランス]
出版社:Dargaud
長く連れ添った妻を亡くした70代のアントワーヌ。葬儀に駆けつけた幼なじみピエールとエミールは、銃を手に妻の元不倫相手への報復にイタリアへ車を走らせるアントワーヌを止めるべく、妊娠中の孫娘ソフィーと珍道中に旅立つ。
子ども向け作品賞
Prix Jeunesse
『黄金の羅針盤 LES ROYAUMES DU NORD』第1巻
著者:ステファン・メルショワール=デュラン Stéphane Melchior-Durand(脚本)、クレマン・ウブルリ Clément Oubrerie(画)[フランス]
出版社:Gallimard
フィリップ・プルマンの小説が原作。身寄りのない少女ライラは“真理計(アレシオメーター)”を使い、アスリエル卿を救い出すことができるのか?
Prix de la BD alternative
※アマチュア作家による作品を対象。独自の審査員団によって選出
(日本で言うところの同人誌に近いかも)
『DERIVE URBAINE』
発行元:Une autre Image[フランス]
最終日・4日目(2月1日)のプログラム【WebTV 中継】
第42回アングレーム国際漫画フェスティバルもいよいよ大詰め!
最終日・4日目(2月1日)は、アングレームの公式サイトWeb TVで
下記のプログラムが生中継されます。[仏語・字幕なし]
10H(現地時間)日本時間18:00
RENCONTRE "MAGASIN GÉNÉRAL"
昨年、シリーズ"MAGASIN GÉNÉRAL"(『食料雑貨店』全9巻)が完結したばかりの
レジス・ロワゼル Régis Loisel と原作者ジャン=ルイ・トリップ Jean-Louis Tripp によるトーク。
"MAGASIN GÉNÉRAL" 第9巻は、今年の公式セレクション(最優秀作品賞ノミネート作品)
にも選ばれています。
レジス・ロワゼルは『時の鳥を求めて』邦訳版が飛鳥新社から発売中。
16H[現地時間]日本時間24:00
LA CÉRÉMOIE DE CLÔTURE フェスティバル閉会式
最優秀作品賞を始め、各賞の発表・授与が行われます。
各賞紹介 - アングレーム国際漫画フェスティバル 日本語ブログ【公認】
ノミネート作品については、こちら:
【動画】大友克洋グランプリ・発表の瞬間
1月29日夜、アングレーム市庁舎内のフェスプレスルームにて
関係者が代理でトロフィーを受取りました。
AFP配信動画(仏語・字幕なし)
Angoulême: le Grand Prix décerné au Japonais Katsuhiro Otomo - YouTube
フランスで『AKIRA』を出版するグレナ社の創業者で社長の、
ジャック・グレナ Jacques Glénat 氏によるコメント:
アングレームはこれまで専らフランス・ベルギー作家中心(+アメリカ)にグランプリを授与してきたが、今回初めて日本の作家に授賞することでフェスがより幅広い視野を示したことは素晴しい。漫画で表現する者はみな同じ資格で等しく表彰されるべきだ。
(大友氏は日本と世界の間に)道をつくり、橋をかけた。
(『AKIRA』は)マンガ、バンド・デシネ、コミックの垣根を越えて世界の漫画を代表する作品だ。
(今回のグランプリ受賞で大友氏が)新たな傑作を届けてくれることを願っている。
『AKIRA』は世界の漫画史に金字塔をうち立てた。多くの漫画家に影響を与え、若い世代の読者や作家に愛されて続けている。
AFP配信動画・英語版(英語吹替え版・短め)
Japanese manga artist wins top comic prize at Angouleme - YouTube